食品からの内部被曝

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福島県南相馬市から出荷された肉用牛から暫定基準を超える放射性セシウムが検出されたという報道がありました。

セシウム、牛11頭すべて規制超...南相馬の農家


今まで全頭検査が行なわれてきたわけではありませんから、もしや汚染肉牛が検査をすり抜けて出回ったのではないかと疑ってしまいます。

チェルノブイリ事故の時は汚染食品が市場に流通したために内部被爆者が増大しました。今後は日本も同じ状態になっていく可能性があります。ジャーナリストの広河隆一氏がチェルノブイリ事故当時の状況について現地を取材して報告した著書「暴走する原発」の中に、汚染食品による内部被曝についても記述がありましたので、以下にその内容をかいつまんで記しておきます。

 チェルノブイリ事故当時、ソ連や周辺諸国は食料品の汚染に頭を悩ませた。放射能汚染された農産物や家畜が廃棄処分されたが、廃棄にはコストがかかる。そのため汚染されている知りながら市場に流通した食べ物も多かった。ノルウェー政府は牧夫の救済策としてトナカイ肉の放射性物質の許容基準値を10倍以上引き上げた。ソ連も同様の措置をとっている。ソ連政府高官の中には「暫定許容基準値を引き上げたおかげで、国家は17億ルーブルの節約となった!」と誇らしげに語るものもいたという。

汚染牛乳や汚染肉は様々な形で市場に流通した。あるものはソ連の遠隔地へ内密に運び出されたり、あるものは汚染の少ない物と混ぜ合わせて加工品として出荷されたりした。被曝した牛を汚染の少ない土地に送り、そこでしばらく飼って体内セシウムが排出するのを待ってから食用に加工するということも行なわれていた。
 
このような形で汚染食品が非汚染地にも出回ることにより、内部被曝の被害が拡大する結果となった。例えばベラルーシでは汚染の少ないミンスク市と汚染地のゴメリ地方では子どもの体内セシウムの値が同じになってしまったという。

非汚染地にいても食べ物に気を付けなければ汚染地にいるのと大差ない体内被曝を受けてしまうということですが、このことを端的にあらわすエピソードを著者の広河隆一氏は次のように書いています。

 私はチェルノブイリ取材の通訳をモスクワ在住のロシア人に頼んできたが、彼は汚染に対する恐怖が、私よりはるかに大きい。強い汚染地では、私が撮影するために外に出る間も、彼は窓を閉め切って車から降りない。だから私も彼も、被曝量は私の方がはるかに大きいと信じていた。
 ある日ミンスクで体内セシウムを測る機会があった。その結果、彼の体の放射能は、私の倍だった。彼は相当ショックを受けていたが、これはどうやら、彼がモスクワで毎日食べている食品が汚染されていることが理由らしかった。
(「暴走する原発」142ページより)

旧ソ連でおこった食品からの内部被曝は日本でも起こりつつあることだと思います。

7月18日に京都会議が開催されます。日本国内の放射能汚染という現実を前にして、海外に活路を見いだしたい人・あくまで国内で自衛したい人のいずれの立場の人にとっても有意義な内容です。是非とも参加されることをお勧めします。

京都会議の詳細については「秋月便り」をご覧下さい。


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